一級建築士 学科 過去問

法規を除いたH21までの過去問。自分用にカスタマイズするのに、ご活用ください。まじめに、やさしく、おもしろく。もりもり学ぶ。

H21 計画 問題1-20・解答

【設問1 】建築設計の手法等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の設計に当たっては、建築予定地や類似施設の調査を行い、利用者の潜在的な要求の把握や将来の建築物に対する要求の変化を予測することが重要である。
2.建築物の設計に当たっては、可能な限り環境負荷を小さく抑え、再利用・再生が可能な資源・材料を使用し、建築の生涯の資源消費を最小限に留めることが望ましい。
3.公共建築物のロビー等の人が集まる空間における規模・寸法や家具配置を計画するに当たっては、一般に、パーソナルスペースに配慮することが重要である。
4.パッシブデザインは、対象地域の気候や風土を十分に把握した上で、特別な装置や動力を用いた機械的手法を主体として、暖房効果、冷房効果、照明効果等を積極的に得ることを意図した設計手法である。

【正解】  4
パッシブデザインは、対象地域の気候や風土を十分に把握した上で、建築自体のデザインにより建物内外に生じる熱や空気や光などの流れを制御し、暖房効果、冷房効果、照明効果等を積極的に得ることを意図した設計手法である。


【設問2】問題データなし


【設問3 】建築物の保存、再生、活用等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.同潤会青山アパート(東京都渋谷区)の市街地再開発事業においては、従前の建築物のうちの1棟を集合住宅として保存し、その他は集合住宅から商業施設に転用している。
2.京都文化博物館の別館(京都市)は、平安博物館として使用されていた旧日本銀行京都支店を、竣工時の姿に復元し、整備したものである。
3.横浜赤レンガ倉庫横浜市)は、明治時代末期から大正時代初期に建築された煉瓦造の倉庫を改修し、文化施設、商業施設として整備したものである。
4.門司港レトロ地区(北九州市)は、門司港駅前に広がる明治・大正時代に国際貿易港として栄えた門司港地区の歴史的建造物の修復・復元等を通して、地域の活性化を目的としている。

【正解】  1
同潤会青山アパート(東京都渋谷区)の市街地再開発事業においては、従前の建築物を取り壊し、新たに住居施設と商業施設からなる「表参道ヒルズ」が建設された


【設問4 】建築物の配置や形態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鋸屋根の垂直面に設けた開口を北向きとした場合、安定した天空光を室内に導くことが可能である。
2.2棟の高層建築物を並べて配置する場合、2棟の間に発生する強風は、間隔を狭くするとピーク時の風速は強くなるが、風速の増加する領域は狭くなる。
3.屋外サッカー競技場を計画する場合、競技のフィールドの長軸を東西方向にとることが望ましい。
4.建築物の開口部に水平の庇を設ける場合、夏期における日射遮蔽効果は、南面より西面のほうが小さい。

【正解】  3
屋外サッカー競技場を計画する場合、競技のフィールドの長軸を南北方向にとることが望ましい。(太陽のまぶしさを避けるため)


【設問5 】建築物の開口部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.住宅において、外部建具を二重サッシとすることは、遮音性を高めるのに有効である。
2.連窓を層間変位の大きな建築物に設ける場合、地震時の安全性を向上させるために、ガラスの四周を強固に固定するほうがよい。
3.突出し窓は、横長形状で寸法の小さい開口部に適しており、気密性・水密性に比較的優れているが、室内からガラス外面の掃除がしにくい。
4.方立ガラスを用いるガラススクリーン構法において、ガラスの厚さが同じ場合、吊下げ型構法は、自立型構法に比べてガラスの高さ方向の寸法を大きくすることができる。

【正解】   2
連窓を層間変位の大きな建築物に設ける場合、地震時の安全性を向上させるために、ガラスの四周を強固に固定しないほうがよい


【設問7 】建築物の各部の寸法及び床面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.定員600人の劇場の固定式の客席部分の床面積(通路を含む)を、240㎡とした。
2.中学校の普通教室(40人)の床面積を、90㎡とした。
3.乗用エレベーター(定員24人)のかごの内法寸法を、間口2,150mm×奥行き1,600mmとした。
4.   自転車を平面に駐輪する1台当たりのスペースを、幅700mm×長さ1,900mmとした。

【正解】  1
定員600人の劇場の固定式の客席部分の床面積(通路を含む)を、300420㎡程度とした

 (客席部分の床面積は0.5~0.7/人程度)



【設問8 】車いす使用者の利用に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.百貨店の多目的トイレにおいて、オストメイト用の流し及び多目的シートを設置し、内法寸法を1600mm × 1600mmとした。

2.公共建築物のエントランスホール内に設けるスロープは、勾配を1/12とし、手すりをスロープの床面からの高さが650mmと850mmの位置にそれぞれ設けた。

3.住宅の台所において、調理台、流し台、レンジ及び冷蔵庫の配置を、車いす使用者が利用しやすいようにL字型とした。

4.公共建築物のエレベーターにおいて、かご内の左右それぞれの側面に、操作盤をかごの床面から1000mmの高さに設けた。


【正解】1

百貨店の多目的トイレにおいて、オストメイト用の流し及び多目的シートを設置し、内法寸法を2000mm × 2000mm程度以上とした。



【設問9 】まちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.エリアマネジメントは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組みのことである。
2.コンパクトシティは、市街地の無秩序な拡大を抑制しながら、都市地域の環境整備に重点を置き、環境的・経済的持続性を高める都市モデルである。
3.CPTED(Crime Prevention Through Environmental Design)は、防犯環境設計とも訳され、心理学的効果を考えた設計によって、犯罪抑止効果を高める計画手法である。
4.トランジットモールは、ショッピングモールの形態の一つであり、商店街から一般の自動車及び公共交通機関を排除した歩行者専用の空間である。

【正解】  4
トランジットモールは、ショッピングモールの形態の一つであり、商店街から一般の自動車の進入を制限し、路面電車やバスなどの公共交通機関と歩行者が通行できる歩行者優先の街路である


【設問10】住宅地計画におけるまちなみ・景観の保全に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.自主協定や住民協定と呼ばれている任意の協定は、法律や条例等によらず、地域の景観等を整備するために地権者等が自主的に定める取決めのことである。
2.都市計画法に基づく地区計画は、地区の整備・開発・保全の方針とともに地区施設の配置や建築物等の制限について、土地所有者等の全員の合意により地区整備計画を定めるものである。
3.都市緑地法に基づく緑地協定は、緑地の保全及び緑化の推進に関する事項について、原則として、土地所有者等の全員の合意により協定を結ぶものである。
4.景観法に基づく景観協定は、良好な景観の形成に関する事項について、原則として、景観区域内の土地所有者等の全員の合意により協定を結ぶものである。

【正解】  2
都市計画法に基づく地区計画は、地区の整備・開発・保全の方針とともに地区施設の配置や建築物等の制限について、土地所有者等の意見をもとめて地区整備計画を定めるものである。


【設問11 】独立住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コートハウスは、建築物や塀で囲まれた中庭を持つ住宅の形式であり、狭い敷地においてもプライバシーを確保しやすい。
2.伝統的な町屋においては、屋内の主要な通路として、道路から裏庭まで達する細長い土間を設けた通り庭形式と呼ばれる間取りが多い。
3.伝統的な農家の間取りにおいて広く用いられた四つ間型は、4室程度の部屋を廊下で結んだ形式である。
4.コア型住宅は、台所、便所、浴室、洗面所等を核(コア)として1か所にまとめた住宅の形式である。

【正解】  3
伝統的な農家の間取りにおいて広く用いられた四つ間型は、4室程度の部屋を、廊下を用いずに、部屋が相互に接続する配置なっている形式である


【設問12 】集合住宅・住宅団地の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.住宅地において、歩車分離を図るため、歩行者専用道路とは別に自動車用のクルドサックを設けた。
2.階段室型の集合住宅において、高齢者向けに改修するために、玄関の位置を変更し、共用廊下を増築してそこに着床するエレベーターを設置した。
3.集合住宅において、天井の高い空間を設けたり、収納スペースの充実等を図るために、住戸の階高を4.5m程度とした。
4.集合住宅の住棟計画において、各住戸の日照・採光・通風・眺望等の条件がほぼ同一であり、階段室型に比べてプライバシーを確保しやすいツインコリドール型を採用した。

【正解】  4
集合住宅の住棟計画において、各住戸の日照・採光・通風・眺望等の条件がほぼ同一であり、ツインコリドール型に比べてプライバシーを確保しやすい階段室型を採用した


【設問13 】宴会場をもつ大規模なシティホテルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.客室用のエレベーターの台数を、100~150室当たり1台として計画した。
2.宿泊と宴会の客の動線に配慮して、メインエントランスホールとは別に、宴会場専用のエントランスホールを設けた。
3.ツインベッドルームの床面積を、1室当たり30㎡とした。
4.客室部分の床面積の合計を、ホテル全体の延べ面積の70%程度とした。

【正解】  4
客室部分の床面積の合計を、ホテル全体の延べ面積の4550%程度とした


【設問14 】学校の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.教科教室型の中学校において、教科ごとに教室を確保し、クラスごとにホームベースを設けた。
2.小学校において、教育面・生活面に配慮して、低学年教室群と特別教室群とをひとまとめにする計画とした。
3.小学校の計画において、学習集団を弾力的に編成できるようにするため、クラスルームに隣接してオープンスペースを設けた。
4.小学校のオープンスペースにおいて、情報ネットワークを活用した多様な学習が行えるように、パソコンを配置した。

【正解】  2
小学校において、教育面・生活面に配慮して、(主に中高学年が利用する)特別教室群は、低学年教室群とは別にして、高学年の教室群の近くに配置した


【設問15】問題データなし


【設問16 】建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.公共図書館の計画において、BDS(ブックディテクションシステム)を採用し、利用者の私物を自由に館内に持ち込むことができるようにした。
2.基準階の平面が25m×20mの低層の事務所ビルの計画において、事務室の適切な奥行きを確保するために、偏心コアタイプを採用した。
3.延べ面積10000㎡程度の美術館において、アルカリ汚染因子の蒸発が収蔵物のあたえる影響を考慮して、コンクリート打設後から開館までのシーズニング期間を2年とした。
4.台詞を主体とする演劇を上演する劇場の計画において、すべての客席から表情や細かな身振りを鑑賞できるように、最後部の客席から舞台中心までの視距離を40mとした。

【正解】  4
台詞を主体とする演劇を上演する劇場の計画において、すべての客席から表情や細かな身振りを鑑賞できるように、最後部の客席から舞台中心までの視距離を15m程度とした


【設問17】問題データなし


【設問18 】建築物の工事監理・契約に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.工事監理者は、建築物の工事が設計図書のとおり実施されているかいないかを確認しつつ、その工事を設計図書のとおりに行う責任を有している。
2.建築基準法においては、建築主に対して、建築士の設計によらなければならない建築物の工事を行う場合、建築士である工事監理者を選任することを義務付けている。
3.建築士法においては、工事監理受託契約を締結したときに交付する書面に、工事監理の実施の期間及び方法を記載しなければならないことを定めている。
4.工事監理業務については、一般に、「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が求められており、この義務を怠り損害が生じた場合には、契約に明記されていなくても過失責任が問われることがある。

【正解】  1


【設問19 】建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1.「設計寸法」とは、設計図書に表示された寸法、表示された寸法から計測・計算することのできる寸法及び物差により読みとることのできる寸法をいう。
2.根切りの数量を算出する場合、土間、犬走り以外の場所における作業上のゆとり幅は0.1mを基準とする。
3.デッキプレートの所要数量を算出する場合、形鋼と同様、設計数量に5%の割増をすることを標準とする。
4.窓、出入口等の開口部の内法の見付面積が、1か所当たり0.5㎡以下の場合は、原則として、開口部によるコンクリートと型枠の欠除はないものとする。

【正解】  2
根切りの数量を算出する場合、土間、犬走り以外の場所における作業上のゆとり幅は0.5を基準とする


【設問20】プロジェクトマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.「ブリーフィング」は、発注者及び関係者の要求、目的、制約条件を明らかにし、分析するプロセスである。
2.「VE(バリューエンジニアリング)提案」は、基本性能の維持を前提とした工事費の低減提案、施工者独自の施工技術の導入提案等である。
3.「事業予算」は、プロジェクトの開始時から完了時までに事業者が支払う費用のうち、設計料と建築物本体工事費の概算を合計したものである。
4.企画・設計段階の「マスタースケジュール」は、建設プロジェクトの主要な段階、関連工事、主要な目標、クリティカルパスとなる工程等をプロジェクトの必要に応じて記載したものである。

【正解】  3
「事業予算」は、プロジェクトの開始時から完了時までに事業者が支払う費用のうち、設計料と建築物本体工事費の他に、人件費や消耗品等の概算を合計したものである