一級建築士 学科 過去問

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H13 構造 問題8-25・解答

【設問8】建築物等の構造計算に用いる荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.風圧力を計算するに当たって用いる速度圧は、屋根の高さ、建築物の周辺の状況及び地方の区分に応じて求める。
2.風圧力を計算するに当たって用いる風力係数は、風洞試験によらない場合、建築物の断面及び平面の形状に応じて求める。
3.限界耐力計算において、極めて稀に発生する大規模な地震動に対して建築物の各階の保有水平耐力を確かめる場合、建築物の変形状態及びその変形能力による効果は、構造特性係数Dsを用いて算定する。
4.構造計算に用いる積載荷重の大小関係は、一般に、床用>大ばり・柱・基礎用>地震力用である。
5.擁壁の設計に用いる土圧の水平方向の単位幅当たりの合力については、一般に、擁壁の鉛直高さをHとした場合、基礎底面から鉛直上方H/3の位置に作用するものとして算定する。
 
■正解     3
× 限界耐力計算において、極めて稀に発生する大規模な地震動に対して建築物の各階の保有水平耐力を確かめる場合、建築物の変形状態及びその変形能力による効果は、構造特性係数Dsを用いて算定する
 限界耐力計算において、極めて稀に発生する大規模な地震動に対して建築物の各階の保有水平耐力を確かめる場合、建築物の変形状態及びその変形能力による効果は、層間変位を用いて算定する。
 
【設問9】土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.標準貫入試験の結果において、N値が5となった場合、砂質土においては非常に緩い状態を示し、粘性土においてはかなり硬い状態を示す。
2.地下水位が高いほど、地下外壁に作用する土圧及び水圧は大きくなる。
3.圧密沈下は、有効地中応力の増加により、土中の間隙水が徐々にしぼり出され、間隙が減少することにより起こる。
4.堅いローム層の「長期に生じる力に対する許容応力度」については、地盤調査を行わない場合、100kN/㎡を採用することができる。
5.  地震時には、地盤内に発生するせん断ひずみの増加に伴い、地盤のせん断剛性及び減衰定数が減少する。
 
■正解    5
× 地震時には、地盤内に発生するせん断ひずみの増加に伴い、地盤のせん断剛性及び減衰定数が減少する
 地震時には、地盤内に発生するせん断ひずみの増加に伴い、地盤のせん断剛性減少するが、減衰定数大きくなる
 
【設問10】木質構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.引張材の断面計算において、その材の有効断面積は、全断面積から断面欠損の総和を控除した正味断面積について、切欠きの欠損の状況に応じて適切に低減した値とする。
2.トラス部材の座屈長さは、一般に、「構面内の座屈」に対しては部材の節点間の距離とし、「構面外の座屈」に対しては筋かい、母屋、方づえ等によって側方への移動がないように支承した支点感の距離とする。
3.せん断を受けるボルト接合部の設計において、せん断に対する抵抗は、一般に、ボルトの締付け摩擦力によるものとする。
4.地震時等におけるねじれによる被害を防ぐため、一般に、壁率比が0.5以上となるように壁や筋かいを配置する。
5.風圧力に対する耐力壁の所要有効長さ必要壁量は、一般に、はり間方向とけた行方向とは異なる値となる。
 
■正解     3

× せん断を受けるボルト接合部の設計において、せん断に対する抵抗は、一般に、ボルトの締付け摩擦力によるものとする。

 せん断力を受けるボルト接合部の設計において、せん断に対する抵抗は、一般に、ボルトの木材へのめり込みボルトの曲げによるものである。

 

【設問11】「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「日本住宅性能表示基準」における構造の安定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.「耐積雪等級」における「極めて稀に発生する積雪による力」は、「稀に発生する積雪による力」の1.4倍である。
2.「耐震等級3」の地震による力は、「耐震等級1」の場合の1.5倍である。
3.「耐風等級2」の暴風による力は、「耐風等級1」の場合の1.1倍である。
4.基礎の構造の性能について表示すべき事項は、直接基礎にあっては、基礎の構造方法及び形式である。
5. 地盤の性能について表示すべき事項は、地盤の許容応力度及びその設定の根拠となった方法である。
 
■正解     3

× 「耐風等級2」の暴風による力は、「耐風等級1」の場合の1.1である。

○ 「耐風等級2」の暴風による力は、「耐風等級1」の場合の1.2である。

 

【設問13】鉄筋コンクリート構造の耐震壁等に関する次の記述のうち、日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1.壁板の厚さは100mm以上、かつ、壁板の内法高さの1/30以上とする。
2.壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関し、それぞれ0.25%以上とする。
3.壁板の厚さが200mm以上ある場合は、壁筋を複筋配置とする。
4.付帯ラーメンの柱の主筋の全断面積は、原則として、柱のコンクリートの全断面積の0.8%以上とする。
5.付帯ラーメンのはりのせん断補強筋比は、0.2%以上とする。
 
■正解    1
× 壁板の厚さは100mm以上、かつ、壁板の内法高さの1/30以上とする。
 壁板の厚さは120mm以上、かつ、壁板の内法高さの1/30以上とする。
 
【設問14】鉄筋コンクリート構造のひび割れを低減するための対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.1枚のスラブの面積は、25㎡以下になるように計画した。
2.平面形状がL型の構造計画については、二つの矩形の部分に分割し、その接合部に伸縮継目を設けた。
3.柱とはりとで囲まれた1枚の壁の面積は、25㎡以下とし、かつ、その辺長比壁の長さ/壁の高さは、1.5以下となるように計画した。
4.一般階のスラブにおいて、スラブの上端筋の上部に設備配管をおさめた。
5.  普通コンクリートの調合において、単位セメント量は、270kg/m3以上、かつ、400kg/m3以下となるように計画した。
 
■正解    4
× 一般階のスラブにおいて、スラブの上端筋の上部に設備配管をおさめた。
○  一般階のスラブにおいて、スラブの上端筋の上部に設備配管をおさめてはならない。(設備配管をおさめると、その部分の被り厚さが不足し、ひび割れの原因になるので避けなければならない。)
 
【設問15】鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.柱とはりとの接合部において、はりの主筋が柱の鉄骨ウェブに当たる場合は、鉄骨の溶接線に当たらないようにし、必要な断面性能が不足しないような位置に貫通孔を設ける。
2.鋼管内部にコンクリートを充填する円形の鋼管コンクリート柱の設計においては、一般に、鋼管の拘束コンファインド効果を考慮する。
3.施工時の応力を鉄骨部分に負担させる場合、風や地震等の不足の力に対して倒壊しないように考慮して設計する。
4.はりの許容せん断力は、鉄骨部分の許容せん断力と鉄筋コンクリート部分の許容せん断力との和として算定する。
5.はりの曲げ耐力は、鉄骨部分の曲げ耐力と鉄筋コンクリート部分の曲げ耐力との和として算定する。
 
■正解    4
× はりの許容せん断力は、鉄骨部分の許容せん断力と鉄筋コンクリート部分の許容せん断力との和として算定する。
   はりの許容せん断力は、鉄骨部分の許容せん断力と鉄筋コンクリート部分の許容せん断力との和として算定してはならない
(補足)鉄骨部分の許容せん断力が設計用せん断力を上回り、鉄筋コンクリート部分の許容せん断力が設計用せん断力を上回るように設計しなければならない。
 
【設問16】建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨ばりとコンクリートスラブとを緊結した合成ばりの曲げ合成を求める場合、原則として、「鉄骨ばり」と「有効幅及び有効厚さ内のコンクリートスラブ」との全断面を有効とする完全合成ばりと仮定する。
2.鉄骨構造において、高力ボルト摩擦接合は、接合部材の接触面に接触圧を与えて、摩擦力により応力を伝達する接合法である。
3.空気膜構造において、構造部材として使用するケーブル部材は、原則として、引張力のみに抵抗する線形弾性部材と仮定する。
4.鉄筋コンクリート構造の柱は、一般に、主筋を増すことにより、靭性を高めることができる。
5.プレストレストコンクリート構造におけるポストテンション方式とは、コンクリートの硬化後、PC鋼材に引張力を導入することにより、コンクリートに圧縮力を与え、その鋼材をコンクリートに定着させてプレストレスを与える方式である。
 
■正解    4
× 鉄筋コンクリート構造の柱は、一般に、主筋を増すことにより、靭性を高めることができる。
 鉄筋コンクリート構造の柱は、一般に、主筋を増すことにより、靭性を高めることはできない(靭性を高めるには帯筋を密に配筋する。)
 
【設問17】鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.せいの高いH形断面を有するはりにおいて、ウェブのせん断座屈を防ぐために、横補鋼材を設けた。
2.水平力を受ける筋かいの接合部において高力ボルト摩擦接合を用いる場合、接合部の破断耐力の検討に当たっては、高力ボルト軸部のせん断力と母材の支圧力により、応力が伝達されることとした。
3.柱とはりの終局耐力の計算に当たって、日本工業規格JISに定める鋼材を用いたので、材料強度として、その鋼材の材料強度の基準強度の1.1倍を採用した。
4.暴風時又は地震時に対する柱継手及び柱脚の応力算定において、積載荷重を除外した応力の組合せについても検討した。
5.ラーメン構造において、柱及びはりには、SN400B材を用い、小ばりには、SN400A材を用いた。
 
■正解     1
×  せいの高いH形断面を有するはりにおいて、ウェブのせん断座屈を防ぐために、横補鋼材を設けた。
○  せいの高いH形断面を有するはりにおいて、ウェブのせん断座屈を防ぐために、スチフナーを設けた
 
【設問18】鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.許容応力度等計算において、突合せ溶接及びすみ肉溶接におけるそれぞれの溶接継目ののど断面に対する許容せん断応力度は、等しい。
2.柱及びはりに用いる鋼材の降伏比が大きいほど、塑性化領域は拡大し、部材の変形性能の向上に有効である。
3.埋込型の柱脚の基礎コンクリートへの埋込み深さは、所定の構造計算を行わない場合、柱幅の2倍以上とする。
4.高力ボルトの最小縁端距離は、所定の構造計算を行わない場合、せん断縁であるか自動ガス切断縁であるかによって異なる。
5.  鋼材の溶接材料には、一般に、降伏点又は0.2%耐力及び引張強さが、それぞれ接合する母材の値以上となるものを用いる。
 
■正解    2
× 柱及びはりに用いる鋼材の降伏比が大きいほど、塑性化領域は拡大し、部材の変形性能の向上に有効である
 柱及びはりに用いる鋼材の降伏比が大きいほど、塑性化領域は減少し、部材の変形性能は低下する
 
【設問19】基礎構造、擁壁及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.地盤の許容地耐力は、「地盤の許容支持力」と「沈下量が許容沈下量となるときの荷重」のうち、小さいほうの値とする。
2.基礎の根入れによる効果を算入して地盤の許容支持力度を計算する場合、短期許容支持力度は、長期許容支持力度の2倍とする。
3.地下水位下にある飽和砂質土層については、細粒土含有率が低いほど、また、N値が小さいほど、地震時に液状化が起こりやすい。
4.鉄筋コンクリート構造の擁壁が長く続く場合、大きな不同沈下を生じる可能性があるので、構造体には、30m程度ごとに伸縮継手を設けるほうがよい。
5.地盤の許容支持力度の算定に当たり、地下水位下にある部分の単位体積重量は、浮力を差し引いた値とする。
 
■正解   3

× 基礎の根入れによる効果を算入して地盤の許容支持力度を計算する場合、短期許容支持力度は、長期許容支持力度の2倍とする

 基礎の根入れによる効果を算入して地盤の許容支持力度を計算する場合、短期許容支持力度は、長期許容支持力度と同じである

 

【設問20】杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鋼杭の腐食対策の一つとして、防錆塗装を行わず、腐食しろを見込んで、杭の肉厚を増す方法がある。
2.埋込み杭の工法は、打込み杭の欠点である施工に伴う騒音及び振動を低減することができる。
3.同一の建築物で支持層の深さが極端に異なり、やむを得ず杭基礎と直接基礎を併用する場合には、不同沈下に対する検討を十分に行う。
4.地盤沈下を生じている地域において、圧密層を貫く杭の長期の荷重について設計する場合、負の摩擦力についても検討する。
5.杭の極限鉛直支持力は、一般に、「杭先端の抵抗力」と「杭周面の摩擦抵抗力」のうち、小さいほうの値とする。
 
■正解    5
× 杭の極限鉛直支持力は、一般に、「杭先端の抵抗力」と「杭周面の摩擦抵抗力」のうち、小さいほうの値とする
○   杭の極限鉛直支持力は、一般に、「杭先端の抵抗力」と「杭周面の摩擦抵抗力」の和として計算する
 
【設問21】建築物の耐震計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の固有周期は、地盤の卓越周期と一致しないようにするほうが望ましい。
2.建築物の耐震性を向上させる有効な方法には、構造体の強度を大きくすること、構造体の靭性を高めること、建築物全体を軽量化すること等がある。
3.帳壁、内装材、外装材等の取付け部分の検討に当たっては、地震力によって生じる水平方向の層間変位を考慮する必要がある。
4.垂れ壁や腰壁が付く鉄筋コンクリート構造の柱が多い場合には、当該柱及び当該階の耐力を大きくしておく等の方法がある。
5.積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は、地震時における建築物に作用する水平力及び地盤と建築物との相対変位を小さくすることができる。
 
■正解     5

× 積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は、地震時における建築物に作用する水平力及び地盤と建築物との相対変位を小さくすることができる

 積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は、地震時における建築物に作用する水平力を小さくするが、地盤と建築物との相対変位は小さくならない

 

【設問22】建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.床スラブは、常時の鉛直荷重を支えるとともに、地震時における水平力の伝達、架構の一体性の確保等の役割をするので、床スラブの面内剛性及び耐力の検討を行った。
2.圧密沈下が生じる可能性のある地盤において、不同沈下による障害を抑制するために、独立フーチング基礎の基礎ばりを剛強にした。
3.大きいスパンの建築物の計画に当たり、柱を鉄筋コンクリート構造、はりを鉄骨構造とした。
4.はり及びスラブの断面の各部の応力を検討することにより、構造部材の振動による使用上の支障が起こらないことを確認した。
5.上層階を鉄筋コンクリート構造、下層階を鉄骨鉄筋コンクリート構造とする計画において、鉄骨鉄筋コンクリート構造の柱内の鉄骨を鉄筋コンクリート構造の始まる階の柱の中間部まで延長した。
 
■正解    4

× はり及びスラブの断面の各部の応力を検討することにより、構造部材の振動による使用上の支障が起こらないことを確認した。

 はり及びスラブの断面の各部のたわみを検討することにより、構造部材の振動による使用上の支障が起こらないことを確認した。

 

【設問23】木材及び木質系材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.構造用木材には、節、割れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものを使用する。
2.集成材は、大きな断面や長い材を得るのが容易で、乾燥による割れ又はくるいを生じにくく、強度のばらつきも少ない。
3.普通合板は、木材を薄くむいた単板を互いに繊維方向を直交させて積層接着させたもので、異方性の少ない面材である。
4.木材に、ある程度以上の一定荷重を継続して戴荷しておくと、時間とともに変形が増大する。
5.  木材の収縮率の大小関係は、一般に、繊維方向>年輪の半径方向>年輪の円周方向である。
 
■正解     5
× 木材の収縮率の大小関係は、一般に、繊維方向>年輪の半径方向>年輪の円周方向である。
○   木材の収縮率の大小関係は、一般に、繊維方向<年輪の半径方向<年輪の円周方向である。
 
【設問24】コンクリートの耐久性に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートのスランプを大きくすることは、一般に、耐久性の低下につながる。
2.コンクリートの中性化は、空気中の炭酸ガス等の作用により、硬化したコンクリートアルカリ性が失われていくことにより生じる。
3.コンクリートの水セメント比を大きくすることは、一般に、耐久性の向上につながる。
4.アルカリ骨材反応の抑制対策の一つとして、高炉セメントB種を用いる。
5.コンクリートに含まれる塩化物イオン量は、0.30kg/m以下とする。
 
■正解    3
× コンクリートの水セメント比を大きくすることは、一般に、耐久性の向上につながる

 コンクリートの水セメント比を大きくすることは、一般に、耐久性の低下につながる

 

【設問25】建築構造用ステンレス鋼SUS304に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.降伏比は、普通鋼であるSS400材より小さい。
2.ヤング係数は、普通鋼であるSS400材より小さい。
3.線膨張係数は、普通鋼であるSS400材より小さい。
4.摩擦面に特殊な加工を施すことによって、高力ボルト摩擦接合を用いることができる。
5.他のステンレス鋼に比べて、構造骨組とするために不可欠な溶接性に優れている。
 
■正解     3

× 線膨張係数は、普通鋼であるSS400材より小さい。

 線膨張係数は、普通鋼であるSS400材より大きい

(補足)

・線膨張係数

ステンレス鋼SUS304>SS400

・降伏比・ヤング係数

ステンレス鋼SUS304<SS400