一級建築士 学科 過去問

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H12 計画・環境 問題1-25・解答

【設問1 】建築物の室内気候に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.喫煙によって生じる空気汚染に対する必要換気量は、一酸化炭素二酸化炭素ではなく浮遊粉じんの発生量により決まる。
2.一般に、冷暖房機器は、外部負荷の多い窓付近に設置するより、負荷の少ない場所に設置するほうが良好な室内の温熱環境が得られる。
3.室内の酸素濃度は18%近くに低下しても、人体に対して生理的に大きな影響を与えることはないが、開放型燃料器具の不完全燃焼をもたらす。
4.静穏な気流条件の暖房室においては、作用温度は、一般に、気温と平均放射温度との平均値で表される。
5.室内に外部から流入する空気の重量と外部へ流出する空気の重量は、等しくなる。
 
■正解    2
一般に,外部負荷の少ない場所に設置するより,負荷の多い窓付近に設置するほうが,良好な室内の温熱環境が得られる。
 
【設問2 】日射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.窓ガラスの日射取得率については、透過成分(透過率)と、ガラスに吸収された成分(吸収率)のうち室内側に放出される成分との和として表される。
2.熱線吸収ガラスは、一般に、可視光線透過率が低下するものが多い。
3.相当外気温度とは、外壁などに日射が当たる場合、日射の強さに応じ外気温が仮想的に上昇したと考えた温度である。
4.我が国の快晴の夏至日における単位面積当たりの終日日射量は、南向き鉛直面よりも東向き鉛直のほうが小さい。
5. 大気透過率は、「太陽が天頂にあるときの地表に到達する直達日射量」の「太陽定数」に対する割合として表される。
 
■正解     4
(補足)終日日射量
夏至:水平面>東西面>南面
冬至:南面>水平面>東西面
 
 【設問3 】【設問4】【設問5 】問題データなし
 
【設問6 】音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.直方体の室で、完全拡散(内装材の吸音率は室内で一様)とみなした場合、同一の内装材を使って、その室容積を2倍にすると、残響時間も2倍になる。
2.単層壁の遮音性能について、質量則を用いて予測する場合、実測値に比べて高めの値となる傾向がある。
3.等価騒音レベルは、一般に、指示騒音計により測定した数値を、一定時間内で平均し、それをレベルにより表示したものである。
4.室内に同じ音響出力をもつ二つの騒音源が同時に存在するとき、室内の音圧レベルは、騒音源が一つの場合に比べて約3dB増加する。
5.壁体の透過損失は、その値が大きいほど遮音性能は優れている。
 
■正解    1
 
【設問7 】昼光、照明及び色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.光源面をある方向から見た場合の明るさを、輝度という。
2.どの方向から見ても光度が一様となる面を、完全拡散面という。
3.点光源による、ある作業面上の直接照度は、「光源の光度」、「光源と作業面の距離」及び「光源と作業面との角度」によって求められる。
4.昼光率は、窓面の受照点に対する立体角投射率が大きく影響する。
5.マンセル色立体は、鉛直軸に明度、同心円状に彩度、円周上に色相を配したマンセル表色系の円筒座標による立体尺度である。
 
■正解    2
(補足)均等拡散「面」なので、「輝度」が一様となる面となる。
光度⇨点光源の明るさ
輝度⇨面光源の明るさ
 
【設問8 】住宅の防寒・防暑に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.気密性を向上させることにより、熱損失係数は小さくなる。
2.断熱性を高めることにより、室内の上下の温度差は小さくなる。
3.壁体の熱伝達率は、その表面に当たる風速の影響を受ける。
4.熱容量が同一であれば、断熱性能が異なっても、暖房停止後の室温低下の速さは同じである。
5.天井を断熱した場合でも、小屋裏の換気を十分に行う必要がある。
 
■正解    4
(補足)冷暖房停止後の室内気温の変化速度は、建築物の熱容量の影響を多分に受ける。
 
【設問9 】住宅等に関する次の組合せのうち、最も関係の少ないものはどれか。
1.ハーフウェイハウス………病院での治療・訓練を終了した患者等が、日常生活への復帰に向けてADL(日常生活動作)訓練を受けることのできる施設
2.シルバーハウジング………ライフ・サポートアドバイザーが配置され、高齢者向けの設備、緊急通報システム等が備えられた集合住宅
3.コーポラティブハウス………自ら居住するための住宅を建設しようとする者が、協力して、企画・設計から入居・管理までを行う方式により建設された集合住宅
4.モビリティハウス…………車いす使用者の個々の障害の特性に対応するため、可変間仕切や上下可動の衛生設備等を備えた住宅
5.コレクティブハウス………個人のプライバシーを尊重しつつ、子育てや家事等の作業を共同で担い合う相互扶助的なサービスと住宅とを組み合わせた集合住宅 
 
■正解  4
車いす使用者の個々の障害の特性に対応するため、可変間仕切や上下可動の衛生設備等を備えた住宅⇨ アジャスタブルハウス
【設問11 】商業建築に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.シティホテルの計画において、客室1室当たりの床面積は、シングルベッドルームを20㎡、ツインベッドルームを30㎡とした。
2.延べ面積40000m2の百貨店の計画において、売場面積を延べ面積の50%とした。
3.基準階床面積2000m2の30階建の事務所ビルの計画において、レンタブル比を高めることができ、構造上も有効なセンターコアタイプを採用した。
4.大規模な事務所ビルの計画において、片側採光の事務室の奥行寸法を14mとした。
5.客席部分の床面積120㎡のファミリー向け洋食レストランの計画において、面積の有効利用に配慮して、1席当たりの床面積を3㎡とした。
 
■正解     5
 
【設問12 】公共建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.保育所の幼児用便所のブースの仕切りや扉は、繊細な幼児の心理を考慮して、大人が外から覗くことができない高さとした。
2.美術館の展示物の損傷を防ぐため、白熱灯照明の場合には防熱フィルターや反射板を併用した。
3.体育館の床は、スポーツに適した弾性を確保し、発生する振動や音を吸収するため、防振ゴムを用いた二重床とした。
4.総合病院におけるICUの計画に当たり、一般病棟に比べて、病床まわりの面積にゆとりをもたせた。
5.病院のX線撮影室の覗き窓には、鉛ガラスを用い、窓枠まわりにも鉛板を挟んだ。
 
■正解     1
(補足)
保育所,幼稚園などにおける幼児用の便所のブースの仕切りや扉は,保育者が上から内部を覗ける高さとするため,100〜120cm程度とする.
 
【設問13 】学校の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。  
1.特別教室型は、普通教科をクラスルームで行い、特別教科を専用教室で行う方式である。
2.教科教室型は、全教科について専用の教室を設け、生徒が時間割に従って教室を移動する方式である。
3.学校の地域開放では、地域コミュニティの核や生涯学習の拠点としての役割が期待されている。
4.プラトーン型は、全クラスを時間帯で普通教室を使用するクラスと特別教室を使用するクラスに二分し、それぞれを一定の時間ごとに入れ替える方式である。
5.総合教室型は、教科の枠を超えた弾力的な学習を展開するため、関連のある教科ごとに教室をまとめる方式である。
 
■正解     5
 
【設問14 】住環境に関する次の組合せのうち、最も関係の少ないものはどれか。
1.ソーラーシステム…………太陽エネルギーを熱、電力、化学エネルギーに変換し、生活や産業に利用する様々な方式
2.ボンエルフ…………………住宅地におけるコミュニティの利用を中心として設計された歩行者専用道路で、小公園等を併設するもの
3.コミュニティ施設………地域住民の社会文化活動を増進する目的をもつ、住宅地の日常生活に必要な公益施設
4.ヒートアイランド…………都市化の進行に伴い、都心部の気温が周辺部より高くなる現象
5.最低居住水準・誘導居住水準……住宅建設五箇年計画において定められた、国の住宅政策における居住水準の目標
 
■正解    2
(補足)「ボンエルフ」とは,歩車融合型共存道路のことをいう。
 
【設問15 】 建築物等の各部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.陸上競技場の芝生席の斜面の勾配を、安定して座ることができるように1/6以下とした。
2.卓球台を中央に配置する卓球コース1面の広さを6m×12mとした。
3.屋内スポーツ施設の天井の高さを、バレーボールの試合を行えるように6mとした。
4.小学校の普通教室の広さを9m×8mとした。
5.自走式屋内駐車場のはり下の高さを、2.3mとした。
 
■正解    3
バレーボールの試合を行う屋内スポーツ施設では、センターライン上部で12.5mエンドライン上部で10.5mの天井高が必要。
【体育館の寸法】ポイント
■平面寸法 41m×34
 バスケットボールコート2面
■高さ寸法 12.5m以上
 バレーボールコートが基準
 
【設問16】問題データなし
 
【設問17 】建築計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。   
1.劇場の計画におけるオープンステージは、舞台と客席が一つの空間内にあるので、舞台機構・照明・音響などに工夫が必要である。
2.老人保健施設は、地域の高齢者に対して各種の相談に応ずるとともに、教養の向上、レクリエーションなどの便宜を総合的に提供する通所施設である。
3.接地型の住戸配置におけるコモンアクセス形式は、共用庭の利用を促し、近隣交流の機会を増大させる効果をもたらす。
4.図書館におけるBDS(ブックディテクションシステム)は、電波や磁気を利用して貸出処理されていない資料の館外への持ち出しを感知するシステムである。
5.公立博物館の部門別面積において、展示・教育活動関係部門の標準面積と保管・研究関係部門の標準面積は、同程度である。
 
■正解     2
【設問18 】建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.PALは、建築物の外周部の熱的性能を評価する指標で、省エネルギー性能を判断する際の基準として用いられる。
2.コージェネレーションシステムは、発電に伴う廃熱を冷暖房・給湯などの熱源として有効利用するもので、エネルギー利用の総合効率の向上を主な目的として導入される。
3.PMVは、大多数の人が感ずる温冷感の平均値を理論的に予測した温熱環境指標である。
4.ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では、浮遊粉じん量・一酸化炭素含有率・炭酸ガス含有率・温度・相対湿度・気流についての基準が定められている。
 
■正解     5
(補足)VAV(変風量単一ダクト方式:Variable Air Volume)→吹出し空気の「風量」を変化させる方式。
 
【設問19 】冷暖房設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.空気調和機の外気取入れに全熱交換器を使用することにより、冷凍機・ボイラーなどの熱源装置容量を小さくできる。
2.蓄熱方式の空調設備を用いることにより、負荷のピークを平滑にすることができ、熱源装置容量を小さくできる。
3.冷温水発生機は、圧縮式冷凍機部分とボイラー部分とを一体化させたものである。
4.放射床暖房方式は、天井の高い居室やホールなどに有効である。
5.ファンコイルユニット方式は、個別制御が容易であるので、病室やホテルの客室の空調に用いられることが多い。
 
■正解    3
(補足)冷温水発生機は、吸収式冷凍機において、再生器で蒸発した水蒸気が水に戻るときに発生する凝縮熱を取り出して温水を供給するもので、冷凍機とボイラーを設置する場合に比べ設置面積が少なくてすむ。
 
【設問20 】給排水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.受水槽の材質については、強化プラッスチック・鋼板・ステンレス鋼板・木などがあり、使用目的に応じて選定する。
2.給水配管において、便器の洗浄用として排水再利用水を使用する場合には、他の配管と別系統にする必要がある。
3.事務所ビルの洗面所に設置する局所式の湯沸器には、電気式が採用されることが多い。
4.グリース阻集器は、主に、排水管からの臭気を厨房内に出さないことを目的として設置される。
5.衛生器具のトラップは、二重トラップとしてはならない。
 
■正解    4
(補足)グリース阻集器の主な目的は、厨房から排出される油脂分の回収。
 
【設問21 】照明設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.近年、省エネルギーの観点から、高周波点灯専用型蛍光灯電子安定器とHf蛍光ランプとを組み合わせた照明器具が採用されることが多い。
2.照明エネルギー消費係数(CEC/L)は、「年間照明消費エネルギー量」の「年間仮想照明消費エネルギー量」に対する比で表される。
3.照度分布を均一にし、影を少なくするためには、照明器具の数を増やしたり、間接照明や光天井などを用いる方法がある。
4.一般の事務所ビルの電灯回路には、電圧降下・電力損失・設備費などを考慮して、単相2線式100Vの配電方式が採用されることが多い。
5.高圧放電ランプには、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどがあり、体育館のような高天井の空間や屋外などの照明に使用される。
 
■正解     4
(補足)電圧降下・電力損失・設備費などを考慮する場合には、単相2線式100Vよりも単相3線式100V/200Vの配電方式の方が効率が良く、一般の事務所ビルの電灯回路に採用されることが多い。 
 
【設問22 】消防用等の設備に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。   
1.自動火災報知設備は、火災に伴って発生する熱・煙・炎の発生を感知して信号を受信機に送信するもので、感知器の形状により閉鎖型と開放型に分類される。
2.誘導灯は、在館者を安全かつ迅速に避難させる目的で設置され、常時点灯が原則であるが、減光形や点滅形も用途によっては可能である。
3.非常コンセント設備は、消防隊の活動を支援するために、11階以上の防火対象物や延べ面積1,000㎡以上の地下街に設置される。
4.無線通信補助設備は、消防隊が地下街に進入した際、地上及び消防隊相互間において無線通信を可能にするための設備である。
5.非常用の照明装置は、停電時の安全な避難のための設備で、照明器具には白熱灯と蛍光灯があり、予備電源には内蔵型と別置型がある。
 
■正解    1
閉鎖型と開放型⇨スプリンクラー設備の分類
差動式・低音式⇨ 自動火災報知設備の分類
 
【設問23 】建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1.動力設備において、同一電力を供給する場合、電線の最小太さは、200V配線に比べて400V配線のほうが太くなる。
2.東京に立地する一般的な事務所ビルにおける年間の一次エネルギー消費量の各種設備別の割合としては、空調用が約5割、照明・コンセント用が約3割、その他が約2割である。
3.爆発又は燃焼のおそれがあるガス蒸気、粉じん、石油類など危険物を扱う場所に設置する照明器具には、防爆照明器具を使用する。
4.一般水栓の給水の最低必要圧力は、30kPa{0.3kgf/c㎡}である。
5.事務所ビルの乗用エレベーターについては、一般に、出勤時のピーク5分間に発生する交通量を輸送できる計画とする。
 
■正解    1
(補足)同一容量を供給する場合には、電圧が高い方が電流を抑えることができるので、400V配線のほうが細い電線を使用可能。
 
【設問25 】次の歴史的建築物とその建築様式との組合せのうち、最も不適当なものはどれか。
1.イスタンブールのハギア・ソフィア………ビザンチン建築
2.パリの旧エトワール広場の凱旋門…………バロック建築
3.桂離宮…………………数寄屋風建築
4.東大寺南大門…………天竺様(大仏様)建築
5.ローマのテンピエット………ルネサンス建築
 
■正解    2
(補足)エトワール広場の凱旋門は、古代ギリシャ、ローマを模範とする新古典主義建築。