一級建築士 学科 過去問

法規を除いたH21までの過去問。自分用にカスタマイズするのに、ご活用ください。まじめに、やさしく、おもしろく。もりもり学ぶ。

H11 構造 問題6-25・解答

【設問6】中心圧縮力を受ける長柱の弾性座屈荷重Peに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、柱は全長にわたって等質等断面とし、材端の水平移動は拘束されているものとする。
1. Peは、柱の断面積に反比例する。
2. Peは、柱の断面積の弱軸に関する断面二次モーメントに比例する。
3. Peは、柱の長さの2乗に反比例する。
4. Peは、柱の材端条件が、「両端ピン」の場合より「一端ピン他端固定」の場合のほうが大きい。
5. Peは、柱の材端条件が、「両端ピン」の場合より「両端固定」の場合のほうが大きい。

■正解    1

【設問7】荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 地震地域係数Zは、その地方における過去の地震記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況などに応じて定められた数値である。
2. 層間変形角の計算に用いる標準せん断力係数Coは、原則として、0.2以上とする。
3. 建築物の設計用一次固有周期Tは、建築物の高さが等しければ、一般に、鉄筋コンクリート構造より鉄骨構造のほうが長い。
4. 建築物の地下部分の地震力の計算に用いる水平震度κは、その部分が深くなるにつれて大きくなる。
5. 振動特性係数Rtは、建築物の設計用一次固有周期Tが1.0秒の場合、軟弱地盤の場合より硬質地盤の場合のほうが小さい。

■正解    4

【設問8】荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めを設けない場合、その勾配が30度を超え60度以下の場合は、一般に、その勾配に応じて低減することができる。
2. 雪おろしを行う慣習のある地方では、垂直最深積雪量が1mを超える場合においても、雪おろしの実況に応じて、それを1mまで低減することができる。
3. 風の速度圧は、地盤面からの高さの2乗に比例する。 
4. 風圧力は、風の速度圧に風力係数を乗じて計算する。
5. 倉庫業を営む倉庫の床の構造計算における積載荷重は、3,900kg/平方メートル未満とすることはできない。

■正解    3

× 風の速度圧は、地盤面からの高さの2乗に比例する。

 風の速度圧qは、q= 0.6 E V02 ( N/mから求める。

 :速度圧の高さ方向の分布を示す係数


【設問9】土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 透水係数は、粘土より砂質土のほうが小さい。
2. 地震時の杭の水平抵抗を検討するときに用いる地盤の変形係数は、ボーリング孔内水平載荷試験などによって推定することができる。
3. ボーリング調査において、「乱さない試料」を採取する場合、一般に、粘性土層より砂質土層のほうが困難である。
4. 自然含水比が液性限界より大きい土は、外力による乱れに対して、液体状となる可能性を有する不安定な土である。
5. 地盤が液状化すると、噴砂現象(砂や水が地表に噴出する現象)を生じることがある。

■正解    1

【設問10】木質構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 洋小屋組は、一般に、スパンが約6m以上の場合に用いられ、それより短いスパンの場合には和小屋組のほうが経済的である。
2. 土台のアンカーボルトは、耐力壁の部分においては、その両端の柱の下部付近、土台の継手付近などに配置するほか、2m程度の間隔で配置する。
3. 和小屋の小屋ばりに生じる主要な応力は、曲げである。
4. 地震力に対する耐力壁の所要有効長さ(必要壁量)は、一般に、はり間方向とけた行方向とでは異なる。
5. ひねり金物は、一般に、軒先部に働く風による吹上げ力に抵抗させるために用いられる。

■正解    4

× 地震力に対する耐力壁の所要有効長さ(必要壁量)は、一般に、はり間方向とけた行方向とでは異なる

 地震力に対する耐力壁の所要有効長さ(必要壁量)は、一般に、はり間方向とけた行方向とでは同じ値になっている


【設問11】壁構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 地上4階建、軒高16mの壁式鉄筋コンクリート造の建築物を特定行政庁が指定する多雪区域内に建築するため、保有水平耐力の検討を行った。
2. 地上8階建の壁式ラーメン鉄筋コンクリート造の建築物において、はり間方向を独立連層耐力壁による構造とし、けた行方向を偏平な断面形状をした壁柱とはりからなるラーメン構造とした。
3. 地上3階建のC種ブロックを用いた補強コンクリートブロック造の建築物を建築する場合、軒高を11mとした。
4. 地上5階建の建築物において、1階を耐力壁を有するラーメン形式の鉄筋コンクリート構造、2階から5階を壁式鉄筋コンクリート造とする場合、1階部分で崩壊しないように、1階部分の耐力壁を偏心しないように配置した。
5. 補強コンクリートブロック造の建築物において、構面によって分割された最大床面積は、70㎡とした。

■正解    5
× 補強コンクリートブロック造の建築物において、構面によって分割された最大床面積は、70㎡とした。
    補強コンクリートブロック造の建築物において、構面によって分割された最大床面積は、45㎡以下とした

(鉄筋コンクリート造の床スラブでは60㎡以下とし、その他の場合は45㎡以下とする。)


【設問12】鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 柱の靱性は、圧縮軸力が増大するほど低下する。
2. 地震時に水平力を受ける柱の曲げひび割れは、一般に、柱頭及び柱脚に発生しやすい。
3. 柱の断面が同じ場合、一般に、柱に内法の高さが短いほど、せん断強度は大きくなるが、粘り強さは小さくなる。
4. はり部材における鉄筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋より上端筋のほうが大きい。
5. 床スラブの長期たわみは、乾燥収縮、ひび割れ及びクリープの影響により増大する。

■正解    4
× はり部材における鉄筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋より上端筋のほうが大きい
 はり部材における鉄筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋より上端筋のほうが小さい

【設問13】鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 極太径の異形鉄筋を主筋に使用する場合、鉄筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、かぶり厚さと鉄筋径の比に応じて低減した。
2. 片持ちスラブで、出の長さが1.5mの固定端の厚さは、片持ちの出の長さの1/8とした。
3. 普通コンクリートを使用する場合、柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間距離の1/20とし、座屈の検討を省略した。 
4. 柱のせん断補強筋の端部を折り曲げて定着する場合、135度フックにより定着した。
5. 柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合は、0.8%以上とした。

■正解   3

× 普通コンクリートを使用する場合、柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間距離の1/20とし、座屈の検討を省略した。

 普通コンクリートを使用する場合、柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間距離の1/15以上とし、座屈の検討を省略した。


【設問14】鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨鉄筋コンクリート構造と鉄筋コンクリート構造の構造特性係数Dsの最小値は、同じである。
2. 部材耐力を算定する場合、一般に、鉄骨の局部座屈を考慮しなくてもよい。
3. 柱の設計において、鉄筋コンクリート部分のコンクリートの許容圧縮応力度は、圧縮側鉄骨比に応じて低減させる。
4. 柱脚部分は、鉄筋量が比較的多いので、鉄筋とベースプレートとの取合い等に注意して設計する。
5. 柱に開断面充腹形の鉄骨を用いる場合、帯筋比を0.1%以上とする。

■正解    1
× 鉄骨鉄筋コンクリート構造と鉄筋コンクリート構造の構造特性係数Dsの最小値は、同じである。
   鉄骨鉄筋コンクリート構造と鉄筋コンクリート構造の構造特性係数Dsの最小値は、異なる。(SRC造のDsは、RC造のDsから0.05を差し引いた値となる。)

【設問15】鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 溶接により組立てた箱形断面の柱の許容曲げ応力度は、鋼材の許容引張応力度と同じである。
2. 圧縮材の許容圧縮応力度は、その材の有効細長比が大きくなるほど小さくなる。
3. 部材断面を構成する板要素の幅厚比を大きくすると、局部座屈が生じやすくなる。
4. 節点の水平移動が拘束されていないラーメン構造の柱材の座屈長さは、一般に、その柱材の上下の節点間距離よりも長い。
5. H形断面のはりの許容曲げ応力度は、その断面寸法を決めれば算定をすることができる。

■正解    5

× H形断面のはりの許容曲げ応力度は、その断面寸法を決めれば算定をすることができる

○ H形断面のはりの許容曲げ応力度は、その断面寸法を決めるとともに、圧縮フランジの支点間距離および横座屈区間内における曲げモーメントの変化による修正係数を用いて算定をすることができる。


【設問16】鉄骨構造の接合部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 引張力が作用する露出型柱脚のアンカーボルトを、引張力とせん断力の組合せを考慮して設計した。
2. 柱の継手に作用する応力をできるだけ小さくするために、柱の継手位置が階高の中央付近になるようにした。
3. 柱に箱形断面材を用いる場合、剛接合の柱・はり接合部において局部破壊が生じないように、内ダイアフラムを設けた。
4. 地震時の水平力を負担する筋かい材の接合部の破断耐力が、筋かい軸部の降伏耐力より十分に大きくなるようにした。
5. 高力ボルト摩擦接合部を、短期荷重に対して、ボルト軸部のせん断力と母材の支圧力によって応力が伝達されるものとして設計した。

■正解     5

× 高力ボルト摩擦接合部を、短期荷重に対して、ボルト軸部のせん断力と母材の支圧力によって応力が伝達されるものとして設計した。

 高力ボルト摩擦接合部を、短期荷重に対して、ボルト軸部の締め付け力による母材間の摩擦力によって応力が伝達されるものとして設計した。


【設問17】鉄骨構造の溶接に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 完全溶込み溶接におけるのど断面の許容応力度は、高度の品質が確保できる場合、母材と同一の値とすることができる。
2. 組立て溶接は、本溶接と同等な品質が得られるように施工するとともに、一般に、開先内には組立て溶接を行わない。
3. 現場における箱形断面の柱の継手の接合は、一般に、完全溶込み溶接とする。
4. 完全溶込み溶接の始端部・終端部では、欠陥が発生しやすいので、エンドタブを用いる。
5. 一般に、SM材よりSS材のほうが溶接性に優れている。

■正解     5

× 一般に、SM材よりSS材のほうが溶接性に優れている

 一般に、SM材よりSS材のほうが溶接性に劣っている


【設問18】杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 支持杭が極限鉛直支持力に達するまでの沈下量は、一般に、打込み杭より埋込み杭のほうが大きい。
2. アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭については、孔壁・孔底の崩壊防止のために、一般に、安定液を孔内に注入する。
3. 鋼管杭を打ち込んだときの極限鉛直支持力は、一般に、閉端杭より開端杭のほうが小さい。
4. 支持杭に負の摩擦力が作用すると、一般に、杭先端部に加わる軸方向力は小さくなる。
5. 杭基礎の許容支持力は、杭の支持力のみによるものとし、一般に、基礎スラブ底面の地盤の支持力を加算しない。

■正解    4
× 支持杭に負の摩擦力が作用すると、一般に、杭先端部に加わる軸方向力は小さくなる
   支持杭に負の摩擦力が作用すると、一般に、杭先端部に加わる軸方向力は大きくなる
(通常、杭には正の摩擦力が上向きに作用しているが、地盤が沈下して負の摩擦力が作用すると、杭先端に加わる軸方向力は大きくなる。)

【設問19】地盤の許容支持力度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質土地盤より粘性土地盤のほうが大きい。
2. 許容支持力度は、砂質土地盤の場合、一般に、内部摩擦角が大きいほど小さくなる。
3. 許容支持力度は、粘性土地盤において内部摩擦角が10度以下の場合、一般に、基礎底面の最小幅が大きくなっても変わらない。
4. 許容支持力度は、一般に、基礎底面の形状が布基礎のような連続形の場合と独立基礎のような正方形の場合とでは異なる。
5. 許容支持力度は、一般に、基礎の根入れ深さが深いほど、大きくなる。

■正解   2
× 許容支持力度は、砂質土地盤の場合、一般に、内部摩擦角が大きいほど小さくなる
   許容支持力度は、砂質土地盤の場合、一般に、内部摩擦角が大きいほど大きくなる

【設問20】建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 地震力を受ける耐力壁の耐力は、基礎が引抜きにより浮き上がることによって決まる場合がある。
2. 腰壁や垂れ壁の付いた鉄筋コンクリート構造の短柱は、脆性的な破壊を起こしやすいので、その対策として、柱際に完全スリット等を設ける方法がある。
3. 純ラーメン構造の中高層建築物において、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、中柱より隅柱のほうが小さい。
4. 1階がピロティで、2階以上に連層壁を有する場合、転倒モーメントにより、連層壁下部の1階のピロティ部分の柱に大きな軸力が作用するので、柱に十分な耐力を持たせる必要がある。
5. 建築物の各階の剛性に大きな差があると、地震時に剛性の小さい階に変形や損傷が集中しやすい。

■正解    3
× 純ラーメン構造の中高層建築物において、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、中柱より隅柱のほうが小さい
○ 純ラーメン構造の中高層建築物において、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、中柱より隅柱のほうが大きい

【設問21】建築物等の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 構造耐力上主要な部分は、建築物に作用する水平力に耐えるように、つり合いよく配置する。
2. 超高層などの細長い建築物の風による振動は、強風時には、風方向より風直角方向のほうが、大きくなることがある。
3. 建築物の耐震安全性については、耐震強度が十分に大きい場合、一般に、靱性にはそれほど期待しなくてもよい。
4. トラス構造による高い鉄塔は、風が吹き抜けるので、特に風に対する配慮は不要である。
5. カーテンウォールの取付け部分の構法の検討に当っては、地震時の各階の層間変位を考慮する必要がある。

■正解    4

× トラス構造による高い鉄塔は、風が吹き抜けるので、特に風に対する配慮は不要である。

 トラス構造による高い鉄塔は、風が当たると渦が発生し、共振現象などが生じる恐れがあるので風に対する配慮が必要である


【設問22】建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 耐震補強計画において、構造体の強度・靱性は変更せずに、建築物の全体を軽量化することによって、耐震性を向上させた。
2. 層間変形角は、建築物の各階に生じる水平方向の層間変位を、当該各階の高さで除すことによって計算した。
3. 長大な平面をもつ構造物の設計において、一般の鋼材の線膨張係数を、普通コンクリートの線膨張係数の10倍と仮定して、温度応力の解析を行った。
4. 地上5階建の中層型枠コンクリートブロック造の建築物において、軒高15m、階高3mの計画とした。
5. 粘性土地盤上の基礎の計画において、建築物の荷重が不均等なので、杭打ち基礎とした。

■正解    3

× 長大な平面をもつ構造物の設計において、一般の鋼材の線膨張係数を、普通コンクリートの線膨張係数の10と仮定して、温度応力の解析を行った。

 長大な平面をもつ構造物の設計において、一般の鋼材の線膨張係数を、普通コンクリートの線膨張係数とほぼ同等である仮定として、温度応力の解析を行った。


【設問23】木材及び木質系材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 木材のヤング係数は、繊維に直角方向より繊維方向のほうが小さい。
2. 木材のクリープによる変形は、木材に一定の継続荷重が長期間作用する場合、初期変形に対して、気乾状態では約2倍、湿潤状態では約3倍になるものとして設計する。
3. 供用期間が3か月の仮設建築物に使用する木材の長期許容応力度は、仮設でない場合の1.2倍にすることができる。
4. 木材の繊維方向の許容応力度の大小関係は、一般に、曲げ>圧縮>引張り>せん断である。
5. 日本農林規格に規定される構造用合板については、含水率が15%を超える場合には、一般に、許容応力度を低減する。

■正解    1
× 木材のヤング係数は、繊維に直角方向より繊維方向のほうが小さい
○   木材のヤング係数は、繊維に直角方向より繊維方向のほうが25倍大きい

【設問25】コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 普通ポルトランドセメントを用いる場合、一般に、コンクリートの水セメント比が小さいほど、大気中における中性化速度は遅い。
2. コンクリートの単位水量が多くなると、乾燥収縮によるひび割れが発生したり、耐久性が低下したりする。
3. コンクリートのヤング係数は、強度が同じならば、軽量コンクリートより普通コンクリートのほうが小さい。
4. 単位セメント量が少ないコンクリートほど、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れが発生しにくい。
5. コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度である。

■正解   3