一級建築士 学科 過去問

法規を除いたH21までの過去問。自分用にカスタマイズするのに、ご活用ください。まじめに、やさしく、おもしろく。もりもり学ぶ。

H11 計画・環境 問題1-25・解答

【設問1 】 環境工学で用いられる用語とその単位に関する組合せとして、誤っているものは、次のうちどれか。 
1. 熱伝導抵抗  平方メートル・K/W または 平方メートル・h・℃/kcal
2. 湿気伝導率  kg/(m・s・Pa) または g/(m・h・mmHg)
3. 圧力損失   Pa または mmH2O
4. 音の強さ   W/平方メートル
5. 光束発散度  cd

■正解   5
(補足)光速発散度は、面から発する光束。単位はlm/㎡。

【設問3】【設問4】問題データなし

【設問5 】0℃の外気に接している壁の熱貫流率が1.2W/(平方メートル・K){1.0kcal/(平方メートル・h・℃)}の場合において、壁の室内側総合熱伝達率が9.3W/(平方メートル・K){8.0kcal/(平方メートル・h・℃)}で、室内空気温度が20℃であったとすると、この壁の室内側表面温度に最も近いものは、次のうちどれか。 
1. 6℃
2. 9℃
3. 12℃
4. 15℃
5. 18℃

■正解   5

【設問6 】音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 背後空気層をもつ板振動型吸音機構において、空気層を厚くした場合、吸音効果を期待できる周波数域は、より低音域に移行する。
2. 背後空気層をもつ板振動型吸音機構において、空気層部分にグラスウールを挿入した場合、グラスウールを単体で用いたときの特徴である高周波数域での吸音効果についてはあまり期待できない。
3. 単層壁への平面波入射において、一般的に、垂直に入射する場合が最も遮音性能は低く、入射角が斜めになるに従い遮音性能は向上する。
4. 騒音伝搬における距離減衰に関する点音源モデルと線音源モデルを使用すると、特定の1か所からの騒音よりも、高速道路上の密な走行などによる騒音のほうが、より遠方に影響が及ぶことの説明が可能となる。
5. 窓に複層ガラスを用いる場合は、同一面密度の単板ガラスを用いる場合に比べて、全般的な遮音性能の向上は見られるものの、ある特定の周波数域では遮音性能が低下する場合もある。

■正解  3

【設問7 】照明・色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 演色性は、照明光の種類によって変化する視対象の色の見え方を表す特性であり、視対象の色そのものによって影響を受ける。
2. XYZ表色系において、xy色度図上の原点に近い色は青であり、x方向への増大で次第に赤、y方向への増大で次第に緑が強くなる傾向をもつ。
3. XYZ表色系において、2色の混色の結果は、xy色度図上の2色の位置を結んだ線上で表示される。
4. マンセル表色系において、7.5YR8/5と表現される色を「もう少し明るい色にしたい」ときには、7.5YR9/5などと表現する。
5. 視認性は、対象とするものがはっきり見えるか否かという特性であり、視対象と背景の色との間で、色相、明度、彩度の差が大きくなれば視認性が向上し、特に明度差の影響が大きい。

■正解     1
(補足)演色性は光源の特性を示すもので、視対象の色の影響は受けない。

【設問8 】我が国における日射の利用と調整に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 日射の温熱環境への影響を調整するため、一般に、建築物の南側に落葉高木を植えることは有効である。
2. 日射熱が最上階の天井から流入するのを防止するため、屋上に芝生を植栽することは有効である。
3. 南に面した窓を設けた庇は、一般に、冷房負荷の軽減に有効であるが、常に暖房負荷の増加をもたらす。
4. 南に面した屋根に太陽熱温水器などを設置する場合、冬季における最適な水平面からの設置角度は、その地域の緯度+15°程度である。
5. 南下がりの傾斜地に建つ住宅の暖房負荷は、一般に、南側住宅の影及び北風の影響を受けにくく、平坦地よりも少なくなる。

■正解   3

【設問9 】住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。    
1. 環境共生住宅における工夫の一つとして、風力や太陽熱を利用したエネルギーの供給がある。
2. 鉄筋コンクリート造の集合住宅では、一般に、く体よりも給排水管のほうが耐用年数が短いので、当初の設計においても配管の交換のしやすさを考慮することが重要である。
3. 集合住宅における片廊下形式は、各住戸の日照・採光・通風・眺望などの条件を同一にでき、プライバシーも確保しやすい。
4. 低・中層集合住宅において、光井戸(light well)と呼ばれる吹抜けを用いると、住戸の奥行が深い場合にも、通風と採光を得ることができる。
5. 住宅地まわりなどの道路において設けられるハンプは、車の速度を強制的に歩行者と同じ程度に落とすことを目的とした手法である。

■正解    3

【設問10 】次の住宅の作品名(建築家)とその計画上の特徴の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 塔の家(東孝光)は、小面積で不整形な敷地条件に対し、住空間を機能別に積層して構成した都市住宅である。
2. ファンズワース邸(ミース・ファン・デル・ローエ)は、コンクリートによる構造の特徴を生かした、ユニバーサル空間をもつ。
3. スカイハウス(菊竹清訓)は、4枚の壁柱に支えられた均質な空間に、取替えの可能な設備等の装置化された「ムーブネット」を取り付けた計画である。
4. ガラスの家(フィリップ・ジョンソン)は、広大な敷地の中に立つ別荘で、暖炉とコアによる明快な平面構造をもつ。
5. から傘の家(篠原一男)は、方形屋根で覆った正方形の単一空間を用途によって分割した、造形性の高い全体構造をもつ。

■正解     2

【設問11 】事務所ビルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 基準階の事務室の床面積を900平方メートルとする計画において、男子小便器3個、男子大便器2個、女子大便器3個とした。
2. 避難階が3階の場合、防災センターを3階に配置した。
3. 貸事務所における基準階の貸室面積を、1人当り9平方メートルとして計画した。
4. 10階建ての事務所ビルにおいて、エレベーターを対面配置するに当り、エレベーターホールの幅(対面距離)を4mとした。
5. ニ方向避難の有利さを考慮し、両端コアタイプを避け、避難階段が近接したセンターコアタイプとした。

■正解    5

【設問12 】美術館の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 中規模の美術館における動線計画を、中央ホール型とした。
2. 自然採光を利用した展示室に、光量不足を補うための照明として高演色蛍光灯を設けた。
3. 美術品収蔵庫の温湿度調節のために、外側の躯体とは別に内壁を設けた二重壁構造とし、その中間の空気層を空調した。
4. 展示ケースのガラスには、青みを除去した無色の高透過ガラスを用いた。
5. 日本画を展示する壁面の照度を500lxとし、洋画を展示する壁面の照度を300lxとした。

■正解    5

【設問13 】図書館の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 入退館者の管理のため、ブックディテクション装置を出入口付近に設ける計画とした。
2. 閲覧机の1人当りの広さは、間口90cm、奥行き60cmとして計画した。
3. 館内のスペース利用の変更や資料の配置換えを考慮し、サインをシステム化した。
4. 地域図書館の開架書架スペースは、収容量を300冊/平方メートルとして計画した。
5. 開架貸出室における中央部には、見通しを考慮し、低書架を用いた。

■正解    4

【設問14 】建築物の配置・形態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 建築物が、冬至において4時間以上の日影を周辺に及ぼす範囲は、一般に、建築物の高さよりも東西方向の幅に大きく左右される。
2. 高層建築物によるビル風を防ぐためには、建設地における風の発生しやすい方向に対して、なるべく受風面を大きくとるよう計画する。
3. 大規模建築物の計画において、「総合設計制度」を活用すると、容積率や高さの制限の緩和が受けられ、建築物の形状を整えるうえで有効である。
4. 横長の窓は、火災時に噴出する炎が上部壁面に吸い寄せられるので、窓上の庇やバルコニーは、延焼防止に有効である。
5. 柱状の細長い建築物は、風により周期的な渦が左右に生じて、建築物に振動が起こる可能性がある。

■正解    2

【設問15 】建築物の各部の寸法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 事務所ビルの階段室において、壁の周囲に取り付ける手すりの高さを段の先端から測って110cmとした。
2. 病院において、病室の出入口の有効幅を120cmとした。
3. 座ったままで見通しが利くようにするため、事務スペースに置くローパーティションの高さを110cmとした。
4. 公共建築物において、車いす使用者の利用する廊下には、車いすフットレスとの高さを考慮して、高さ35cmの幅木を設けた。
5. 車いす使用者の利用する便所の出入口の有効幅を95cmとし、引戸を設けた。

■正解    1

【設問16 】高齢者及び身体障害者の利用に配慮した計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 車いす使用者用の駐車スペースにおいて、1台当りの幅を3.5mとした。
2. 車いす使用者の利用に配慮して、洗面台の下の床面からのクリアランスを650mm確保した。
3. 車いす利用者が移乗しやすくするために、ベッドの高さを車いすの座面高さよりも高くした。
4. 既存の便所を改修して高齢者が利用しやすいブースを設けるに当り、便所内で最も奥にあるブースの扉を外開きとし、ブース内に手すりを設け、洋式便器を設置した。
5. 公共建築物の便所の計画に当り、介護者が異性である場合にも配慮して、男女共用の車いす使用者用の便所を設けた。

■正解    3

【設問17 】階段や斜路に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 特別避難階段の附室において、避難者の滞留を最小限にするため、廊下から附室への入口と、附室から階段室への出口とを、隣接させた。
2. 各階の階高が異なる場合でも、避難階段の蹴上げと踏面の寸法が各階でほぼ同じになるように計画した。 
3. 避難階において、上階からの階段と下階からの階段を連続させない計画とした。
4. 9階建の百貨店を計画するに当たり、エスカレーターの勾配を30°とした。
5. 屋外斜路の幅を、聴覚障害者の利用を考慮して、横に2人が並んで歩けるように120cmとした。

■正解    1

【設問18 】建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。  
1. 氷畜熱方式における氷充填率(IPF)とは、畜熱槽中に氷が占める体積比率をいう
2. 地域冷暖房方式(DHC方式)とは、冷暖房用熱源設備を地域的に集約設置し、各建築物に冷水、温水、蒸気などの熱媒を供給する方式である。
3. 空調設備における変水量方式(VWV方式)とは、端末の空調機などにかかる負荷に応じて、空調配管系を流れる水量を変化させる方式である。
4. 燃料電池とは、燃料のもつ化学エネルギーを電力に変換する装置であり、一般に、石油と空気を供給することにより、水と電力と熱を得ることができる。
5. 圧力配管用鋼管の規格におけるスケジュール番号とは、管の材料の許容応力(S)に対する最高使用圧力(P)の比(P/S)を10倍したものである。

■正解    4

【設問19 】空気調和設備の省エネルギーに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 氷畜熱方式は、水畜熱方式に比べて空調機へ送る冷水温度を低くできるため、少ない冷水流量ですみ、冷水ポンプの消費電力を小さくできる。
2. 遠心冷凍機の冷水出口温度を低く設定すると、成績係数(COP)は上昇する。
3. 空調運転開始後、部屋が使用されるまでの予熱(冷)時間において、外気取入れを停止することは、省エネルギー上有効な場合が多い。
4. 外気冷房方式は、内部発熱が大きく必要外気量の小さい建築物ほど、省エネルギー効果が大きい。
5. 事務所ビルにおいて、取入外気量を室内のCO2濃度に応じて制御する方式は、省エネルギー上有効である。

■正解    2

【設問20 】衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1. 飲料水の受水槽周囲の保守点検スペースは、人が通れても40cmでは不十分である。
2. 貯湯槽には、腐食防止のため、一般に、合成樹脂製のものが用いられる。
3. 排水再利用水は、大腸菌が検出されなくても飲料水には使用しない。
4. 事務所ビルについては、現在のところ給湯エネルギー消費係数(CEC/HW)の指標値は定められていない。
5. 都市ガスの種類は、比重・熱量・燃焼速度により区分される。

■正解    2
(補足)合成樹脂は熱に対して、耐性に不安があるので、単独で貯湯槽に用いることができない。

【設問21 】電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1. かご形誘導電動機の始動方式において、減電圧始動ではスターデルタ始動方式が、最も安価であり、広い範囲で採用されている。
2. 幹線に採用する配線方式において、バスダクト方式は、大容量の電力供給に適している。
3. 車両が通行する場所に、地中電線路を直接埋設式により施設する場合、原則として、土被りは120cm以上とする。
4. 燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの発電効率は、70%を超えており経済的に有利になっている。
5. 打込み接地極の種類としては、銅板・銅覆鋼棒などがあり、なるべく水気があり、かつ、酸などで腐食するおそれのない場所を選んで、地中に埋設するか又は打ち込む。

■正解    4

【設問22 】消火設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1. 社会福祉施設、病院、ホテル等の場合、屋外消火栓設備については、2号消火栓の採用が指導されている。
2. 閉鎖型スプリンクラーヘッドは、作動温度の関係で、厨房などのような周囲温度が高い部屋には適さない。
3. 泡消火設備は、自動車修理場、駐車場、指定可燃物の貯蔵所などを対象とし、泡による窒息効果と冷却効果により消火する。
4. 連結散水設備は、火災発生時に消火活動が困難になると予想される建築物の地階を対象とし、地階の天井等に開放型又は閉鎖型の散水ヘッドを設置する。
5. 連結送水管は、高層階や地下街などにおける消防隊の消火活動を有効に行えるようにするために設置する。

■正解    2
(補足)スプリンクラーヘッド本体で火災を感知し、放水を開始する閉鎖型スプリンクラー は、火災を早期かつ有効に消火することが可能で、火を用いる空間でも適する設定温度で始動する定温式を用いることにより採用可能。

【設問23 】建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 交流電圧の種別における「低圧」とは、400V以下のものをいう。
2. ウォーターハンマーは、水栓などにより配管内の流れを瞬間的に閉止した場合に生じる現象である。
3. 屋内消火栓設備は、初期消火のために設けられるものであり、建築物内の在館者などが使用する設備である。
4. 冷凍機の冷媒に使用されるHFCは、オゾン層の破壊防止には効果があるが、温室効果ガスの一種であり、空気中への放散を防止するように注意する必要がある。
5. 空気調和機の外気取入れに全熱交換器を使用すると、夏期及び冬期の冷暖房負荷の軽減に有効である。

■正解    1

【設問24 】次の人名と都市計画に関する事項との組合せのうち、最も不適当なものはどれか。
1. G.E.オースマン   パリ改造計画
2. E.ハワード     田園都市
3. O.ワーグナー    ウィーン環状道路 
4. ル・コルビュジェ   300万人のための現代都市
5. L.コスタ      ブラジリア

■正解    3

【設問25 】京都にある鹿苑寺金閣慈照寺銀閣に関する次の記述のうち、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1. 金閣は、足利義満が造営した北山殿の一部であり、最上層を禅宗様仏堂の形式とし、第2層に和様仏堂風、初層に住宅風の建築様式を用いている。
2. 銀閣と同じ敷地に建つ東求堂の同仁斎は、現存する最も古い違い棚と付書院をもつ「四畳半」である。
3. 金閣銀閣は、敷地の南側の庭や池を、「コの字型」に囲んだ寝殿造の建築物のうち、釣殿が残ったものである。
4. 金閣銀閣が建てられた時代には、能楽茶の湯・生け花・連歌水墨画枯山水の庭園といった、日本の伝統文化がその形を整え、建築にも大きな影響を与えた。
5. 金閣銀閣が建てられた時代には、武家住宅に、床の間・違い棚・付書院などの座敷飾りが用いられるようになり、書院造が発展し、今日の和風住宅の原型が形成された。

■正解    3