一級建築士 学科 過去問

法規を除いたH21までの過去問。自分用にカスタマイズするのに、ご活用ください。まじめに、やさしく、おもしろく。もりもり学ぶ。

H9 構造 問題7-25・解答

【設問7】荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 気象庁の震度階は、地震震源で放出されるエネルギーの大きさを表すマグニチュードと同意語ではない。
2. 地震地域係数は、一般に、九州における値に比べて、本州の太平洋側における値のほうが大きい。
3. 多雪区域における暴風時の応力を計算する場合には、積雪荷重による応力を加える場合と加えない場合のそれぞれについて想定する。 
4. 地震時の応力を計算する場合には、地震地域係数の大きさにかかわらず、地震力による応力と風圧力による応力とを同時に作用させなくてもよい。
5. 中高層建築物においては、一般に、地盤が軟弱な場合ほど、地震層せん断力係数を小さくすることができる。
 
■正解    5

× 中高層建築物においては、一般に、地盤が軟弱な場合ほど、地震層せん断力係数を小さくすることができる。

○ 中高層建築物においては、一般に、地盤が軟弱な場合ほど、振動特性係数Rtが低減できないので、地震層せん断力係数を小さくすることができない

 

【設問8】荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 建築物の固有周期は、剛性の平方根に反比例し、質量の平方根に比例する。 
2. 閉鎖型の建築物において、水平面に対して10度以下の緩い勾配の片流れ屋根の場合、水平な風は、吹上げ力として作用する。
3. 事務室の床の設計用積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、1,800N/㎡とすることができる。
4. 地下外壁に作用する土圧を算定する場合、土の内部摩擦角や粘着力などの土の性質にかかわらず、一般に、静止土圧係数を0.5としている。
5. 積雪荷重の計算に用いる積雪の単位重量は、原則として、積雪量1cm当たり2.0kg/平方メートル以上とする。
 
 
■正解   3

× 事務室の床の設計用積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、1,800N/とすることができる。

○ 事務室の床の設計用積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、2,900N/とすることができる。とすることができる。

 

【設問9】土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1. 地盤の許容支持力度は、基礎の形状・大きさ・根入れ深さが同一の場合、地盤の内部摩擦角及び粘着力が大きいほど大きい。
2. 過圧密された粘性土層の場合、地下水をくみ上げて水位を下げても、地中応力が先行圧密応力以下であれば、通常、沈下量は無視することができる。
3. 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対する検討を行えば、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)の検討を省略することができる。 
4. 緩い粘性土地盤における地震動によるせん断剛性の低下は、緩い砂質土地盤における液状化現象の場合ほど急激ではない。
5. 細粒土含有率が低く、地下水位面が地表面に近い飽和地盤は、地震動によって液状化が起こりやすい。
 
■正解   3
 

× 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対する検討を行えば、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)の検討を省略することができる

○ 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対しても地盤沈下を起こし、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)を生じさせる可能性があるので、これに対する検討を必要とする

 

【設問10】木造構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 床ばりの初期変形における最大たわみは、支点間の距離の1/300以下、かつ、2cm以下となるように設計した。
2. 構造耐力上主要な部分である柱の有効細長比は、150以下とした。
3. 2階建の建築物において、地盤が著しく軟弱な場合、地震力に対する耐力壁の所要有効長さは、通常の場合の1.5倍とした。
4. 構造計算によらない場合、3階建の建築物の1階の柱の小径は、13cmとした。
5. 圧縮力を負担する筋かいとして、厚さ3cm、幅9cmの木材を使用した。
 
■正解    4
×    構造計算によらない場合、3階建の建築物の1階の柱の小径は、13cmとした
○    構造計算によらない場合、3階建の建築物の1階の柱の小径は、13.5cm以上必要である

 

【設問11】壁構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 2階建の補強コンクリートブロック造の建築物において、軒の高さを7m以下、各階の階高を3.5m以下とした。 
2. コンクリートブロック造の建築物において、組積材を十分に水洗いした後、芋目地ができないように組積した。
3. 壁式鉄筋コンクリート造の建築物において、コンクリートの設計基準強度を15N/ mm2 {150kgf / cm2}とした。 
4. 壁式鉄筋コンクリート造の建築物において、耐力壁の縦方向及び横方向のせん断補強筋比をそれぞれ0.25%とした。
5. 壁式鉄筋コンクリート造の建築物において、壁ばりのせいを45cm以上とした。
 
■正解    3
× 壁式鉄筋コンクリート造の建築物において、コンクリートの設計基準強度を15/ mm2 {150kgf / cm2}とした。
○ 壁式鉄筋コンクリート造の建築物において、コンクリートの設計基準強度を18/ mm2{180kgf / cm2}以上必要である
 
【設問12】3階建の鉄筋コンクリート造建築物の構造計算において、「耐震計算ルート1」を適用する場合、[ ]内の式における記号の説明として、最も不適当なものは、次のうちどれか。[ ]内の式は、∑25Aw + ∑7Ac ≧ ZWAi
1.Aw ─── 当該階の耐力壁のうち計算しようとする方向に設けた水平断面積[cm2]
2.Ac ─── 当該階の構造耐力上必要な部分である柱の水平断面積及び耐力壁以外の鉄筋コンクリートの壁(上端及び下端が構造耐力上主要な部分に緊結されたもの)のうち計算しようとする方向に設けたものの水平断面積[cm2]
3.Z ─── 地震地域係数
4.W ─── 当該階部分の固定荷重[Kg]
5.Ai ─── 地震層せん断力係数の分布係数
 
■正解   4
 

【設問14】鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1. 部材の終局せん断耐力は、鉄骨部分の終局せん断耐力と鉄筋コンクリート部分の終局せん断耐力との和とした。

2. 柱・はり接合部において、柱の補助筋がはりの鉄骨フランジに当たったので、貫通孔をあけて鉄筋を通した。

3. 純ラーメン構造の建築物においては、部材に十分な靱性をもたせる設計とし、構造特性係数Dsを0.25とした。

4. はりの鉄骨にH形鋼を用いたので、あばら筋比を0.1%以上とした。

5. 柱の材軸方向における鋼材の全断面積は、コンクリートの全断面積の0.8%以上とした。

 

■正解    2

× 柱・はり接合部において、柱の補助筋がはりの鉄骨フランジに当たったので、貫通孔をあけて鉄筋を通した

○ 柱・はりの接合部において、柱の主筋がはりの鉄骨フランジに当たった場合でも、フランジには貫通孔を空けてはならない

 

【設問15】鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 
1. 柱に用いる鋼材の幅厚比の制限値は、はりに用いる場合と同じである。
2. 組立て箱形断面の部材の許容曲げ応力度は、鋼材の許容引張応力度とする。
3. H形断面のはりの許容曲げ応力度は、鋼種・断面寸法・曲げモーメントの分布・圧縮フランジの支点間距離が決まれば算定することができる。
4. 鋼材の疲労強度は、応力集中、切欠き等に著しく影響される。
5. 圧縮力を負担する構造耐力上主要な柱の有効細長比は、200以下とする。
 
■正解    

× 柱に用いる鋼材の幅厚比の制限値は、はりに用いる場合と同じである。

○ 柱に用いる鋼材の幅厚比の制限値は、フランジの場合は同値であるが、ウエブの場合は値が違う。柱ではd / t = 74Fはりではd / t = 110Fである。

 

【設問16】鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 降伏比が大きい部材は、塑性変形能力が得られにくい。
2. 「耐震計算ルート1」の計算において、筋かい材がある場合は、筋かい端部及び接合部分が破断しないことを確かめる必要がある。
3. 「耐震計算ルート3」の計算においては、層間変形角の確認を行う必要がある。
4. 節点の水平移動が拘束されていないラーメン構造の柱材の座屈長さは、一般に、その柱材の節点間距離よりも長くなる。
5. ラーメン構造において弾性変形を小さくするために、SS400材を用いる代わりに、同じ断面のSM490材を用いた。
 
■正解   5

× ラーメン構造において弾性変形を小さくするために、SS400材を用いる代わりに、同じ断面のSM490材を用いた。

   ラーメン構造において弾性変形を小さくするために、SS400材を用いる代わりに、同じ断面のSM490材を用いても、鋼材のヤング係数は一定値であるから変形は小さくならない

 

【設問17】鉄骨構造における接合部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 柱フランジ通しタイプのパネル部の場合には、はりフランジと柱の水平スチフナーに心ずれを生じても接合部の耐力は、心ずれのない場合と同じである。

2. F10Tの高力ボルト摩擦接合において、同一径の場合、1面摩擦接合4本締めの許容耐力は、2面摩擦接合2本締めの場合と同じである。

3. 高力ボルトM22を使用する場合、ボルトのピッチを55mm以上とし、孔径は24mm以下とする。 

4. 高力ボルト摩擦接合部においては、摩擦面の密着性がわるくなると、すべり耐力が著しく低下する。

5. 柱・はり接合部のはり端溶接部において、溶接線が交差することになるが、はりウェブ部にスカラップを設けないノンスカラップ工法が使われるようになってきている。

 

■正解   1

× 柱フランジ通しタイプのパネル部の場合には、はりフランジと柱の水平スチフナーに心ずれを生じても接合部の耐力は、心ずれのない場合と同じである

○ 柱フランジ通しタイプのパネル部の場合には、はりフランジと柱の水平スチフナーに心ずれがあってはならない。心ずれが生じると、接合部の耐力上支障となり、心ずれのない場合より耐力は小さくなる

 

【設問18】地盤の許容支持力度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 基礎底面下の地盤が破壊する場合、すべり面の及ぶ範囲は、およそ基礎底面からその幅の2倍程度の深さまでである。

2. 短期の許容支持力度を求める場合、基礎の根入れ深さによる効果は、長期の場合と同じとする。

3. 地下水位下にある地盤の単位体積重量は、水による浮力を差し引いた重さとする。

4. 許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質土地盤より粘性土地盤のほうが小さい。

5. 平板載荷試験によって長期許容支持力度を決定する場合、極限支持力度の1/3又は最大荷重度の1/3のうち小さいほうの値に基づいて定める。

 

■正解   4

× 許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質土地盤より粘性土地盤のほうが小さい

○ 許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質土地盤より粘性土地盤のほうが大きい

 

【設問19】水平力が作用する杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 杭頭が固定の場合、水平地盤反力係数が大きいほど杭頭の曲げモーメントは小さくなる。

2. 群杭基礎の場合、一般に、その水平耐力は、各杭を単杭とみなしたときの水平耐力の総和よりも大きくなる。

3. 杭頭の水平変位は、杭の曲げ剛性が大きくなるほど小さくなる。 

4. 短い杭の変位、曲げモーメント等を求める場合、杭の剛性と支持地盤の強さとの関係、杭先端の貫入深さ等を考慮して、杭先端条件を設定する。

5. 埋立て地や圧密沈下が生じやすい軟弱地盤においては、建築物周辺の地盤沈下により杭頭が露出する例が多いので、突出した杭としての水平耐力を検討する。

 

■正解    2

× 群杭基礎の場合、一般に、その水平耐力は、各杭を単杭とみなしたときの水平耐力の総和よりも大きくなる

○ 群杭基礎の場合、一般に、その水平耐力は、各杭を単杭とみなしたときの水平耐力の総和よりも小さくなる

 

【設問20】建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 地震力によって生じる各階の層間変形角については、帳壁、内・外装材、設備などに著しい損傷の生じるおそれがないことが確認された場合は、1/120以下とした。 
2. ピロティ部分の柱の設計に当たっては、直上の耐力壁がピロティ部分の柱に先行して崩壊メカニズムを形成するようにした。
3. 偏心率、剛性率の算定に当たって、耐力壁、袖壁、腰壁、垂れ壁などの剛性は、弾性剛性に基づいた値とした。 
4. 保有水平耐力の算定に当たって、一般構造用鋼材がJIS規格品であるので、材料強度の基準強度を割増しした。
5. 冷間成形角形鋼管の柱を用いたラーメン架構の塑性ヒンジを設定する場合、大ばりに接続する柱の全塑性モーメントの値を、大ばりの全塑性モーメントの値よりも小さくなるようにした。
 
■正解    5
× 冷間成形角形鋼管の柱を用いたラーメン架構の塑性ヒンジを設定する場合、大ばりに接続する柱の全塑性モーメントの値を、大ばりの全塑性モーメントの値よりも小さくなるようにした
○ 冷間成形角形鋼管の柱を用いたラーメン架構の塑性ヒンジを設定する場合、大ばりに接続する柱の全塑性モーメントの値を、大ばりの全塑性モーメントの値よりも大きくなるようにした
 
【設問21】建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 中層の集合住宅の計画において、廊下側となる長辺方向を鉄骨鉄筋コンクリート造、住戸の界壁がある短辺方向を鉄筋コンクリート造とした。
2. 鉄骨造の建築物の計画において、長辺方向を純ラーメン構造、短辺方向をブレース構造とした。
3. 耐力壁周辺の床スラブには、水平剛性・耐力が特に必要なので、開口部を設けないようにした。
4. 圧密沈下が生じる可能性のある地盤なので、不同沈下による障害を抑制するために、地中ばりのない独立フーチング基礎とした。
5. 剛心と重心を近づける計画とし、地震時のねじれ振動による建築物外周部の揺れが大きくならないようにした。
 
■正解    4

 × 圧密沈下が生じる可能性のある地盤なので、不同沈下による障害を抑制するために、地中ばりのない独立フーチング基礎とした。

○ 圧密沈下が生じる可能性のある地盤なので、不同沈下による障害を抑制するために、剛強な地中ばりで接続された独立フーチング基礎とした。

 

【設問22】構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 既存の鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強をする場合、柱に鉄板を巻いてせん断補強をすることにより、靱性を向上させる方法がある。

2. 鉄筋コンクリート造の場合、大スパンの架構においては、一般に、柱にプレストレスコンクリート部材を、はりに鉄筋コンクリート部材を用いるほうが合理的である。

3. 鉄骨構造の一般的な露出形成の柱脚を含む骨組の応力解析においては、アンカーボルトの配置に応じて、脚柱の固定度を考慮しなければならない。

4. 大断面木造建築物は、高さ13mを超える大スパンの架構としても計画することができる。

5. 擁壁に作用する地震時の主働土圧係数は、震度κ=0.2程度であれば、一般に、通常時の主働土圧係数の20~30%増の範囲以内に納まる。

 

■正解    2

× 鉄筋コンクリート造の場合、大スパンの架構においては、一般に、柱にプレストレスコンクリート部材を、はりに鉄筋コンクリート部材を用いるほうが合理的である。

○ 鉄筋コンクリート造の場合、大スパンの架構においては、一般に、柱に鉄筋コンクリート部材を、はりにプレストレスコンクリート部材を用いるほうが合理的である

 

【設問23】木材及び木質系材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 木材の繊維方向の短期許容応力度は、一般に、曲げ、圧縮、せん断、引張りのいずれも、長期許容応力度の2/1.1倍である。
2. 繊維方向の許容応力度は、一般に、木材より構造用集成材のほうが大きい。
3. 木材のクリープによる変形は、木材に一定の継続荷重が長期間作用する場合、初期変形に対して、気乾状態で約3倍、湿潤状態で約2倍となる。
4. 木材の繊維方向の許容応力度の大小関係は、一般に、曲げ>圧縮>引張り>せん断である。
5. 構造用集成材の特徴としては、いろいろな断面、長さの材を得られることがあげられる。
 
■正解    3

× 木材のクリープによる変形は、木材に一定の継続荷重が長期間作用する場合、初期変形に対して、気乾状態で約3倍、湿潤状態で約2倍となる。 

○ 木材のクリープによる変形は、木材に一定の継続荷重が長期間作用する場合、初期変形に対して、気乾状態で約2倍湿潤状態で約3倍となる。

 

【設問24】問題データなし
 
【設問25】鋼材等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 鋼材は、シャルピー衝撃値が大きくなると、脆性破壊を起こしやすくなる。
2. JISにおける溶接構造用圧延鋼材SM490Aの引張強さの下限値は、490N/mm【2】である。
3. JISにおけるF10Tの高力ボルトは、引張強さが1000~1200N/mm【2】である。
4. JISにおける異形棒鋼SD295Bは、引張強さの下限値が440N/mm【2】であり、降伏点の範囲が定められている。
5. 同じ鋼塊から圧延された鋼材の降伏点は、一般に、板厚の薄いものより板厚の厚いもののほうが低くなる。
 
■正解   1
× 鋼材は、シャルピー衝撃値が大きくなると、脆性破壊を起こしやすくなる
○   鋼材は、シャルピー衝撃値が大きくなると、脆性破壊を起こしにくくなる